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不動産売却のやってはいけない「損切り」のタイミングについてFP相談例と共にご紹介。



不動産投資にかかわらず、投資というもので一番神経使うのってどこだと思いますか?
それは売り時です。
(異論は認めます)

今回は私がFP相談の現場で見た、やっちゃいけない不動産投資の売却(損切り)タイミングについてお話ししていきます。

目次

売却タイミングの大切さ

別に、投資に限った話ではないのですが
何事も出口を作るって大切ですよね。
戦争然り、商談然り、喧嘩然り、交渉ごと、苦情。
あげれば枚挙に暇がないですね。
どんなものにも納めどころを決めずにことを始めると泥沼にはまってしまうのは世の常。

出口がきちんと事前に設定されていると言うことは
きちんとした戦略と目的があると言うこと。

これは投資においても同じ。
買うときには
”いつ””いくらで”売るかを事前に決めておくのが重要です。

これを決めておかないと、
いざ値上がりしたときにも
あたふたしてしまい、その値上がりのタイミングにうまく乗れない。

下手すれば、もっと上がると思っているうちに
値段が下がり始めて、売るタイミングを逃してしまい、
結局、利益が出せない
ということにもなってしまいます。

そんなわけないじゃーん
って声が聞こえてきそうですが。
それは多分、投資をしたことがない人の意見ですね。
(異論は認めます)

極端な話、買ったと同時に売りの注文も入れておくくらいの方がいいですね。

不動産投資における売却のタイミング

不動産投資での売却タイミングというのは大きく分けて3つあります。
①節税メリットが多い時期での売却
②節税メリットをある程度受けての売却
③物件を相続したタイミングでの売却

ほかにも切り口はたくさんありますが、
よく見かけるのが上記の3パターンですね。
今回はその①のお話です。

節税メリットを受ける前の売却の実情

売却の事情は色々とありますが、
サラリーマンが行うワンルームマンション投資において
一番の愚策が短期売買です。

値上がりしていれば何も問題はないのですが。
そもそも、そんな急激な値上がりがしにくいのがワンルームマンションです。
値上がる事情がそもそもあまりない。
よほど安値で買えれば別ですが、
業者が安値で仕入れていてもお客さんの手元に届く段階で
その分、業者さんが利益をしこたま乗ってけていますからね。
投資家は割安で購入するのは極めて困難な仕組みになっているのです。

実際は、優良な業者は顧客のキャッシュフローから逆算して売買価格を設定していたりもしますが。
基本的にそういう業者を見つけるのは極めて困難です。
私もFP実務をやっていて、投資用不動産の業者はよく見ますが
片手の指の半分くらいで事足りてしまうほどしかそういう業者は知りません。

つまり、短期売買では利益を得ずらいということですね。
それにも関わらず、短期売却に走ってしまう方の心理というのはどういうものでしょうか。

短期売却に走る事情

私が以前実務で見た方のことです。
54歳の郵便配達員さん。
年収も割とよく、初めてお会いしたときに物件を3戸持っていました。
お会いした段階で既に
購入した不動産屋さんと賃貸管理をしてくれている不動産屋さんと揉めていました。

「当初言われたとおりの管理をされていない」
「当初想定していなかった出費があった」
などが揉め事の種のようでした。

確かに、業者さんもイケていない管理をしていたし、
説明不足もあったように見えますが。
正直、その郵便配達員さんも言われたことを忘れているだけだったり、
ちゃんと調べずに買っていたり、思い込みなどもあるように見えました。
(というか、ありました)

それで、もう業者さんと手を切りたいという理由で売却に踏み切っていました。
購入してまだ二年とかでした。

短期売却の結果

結局、その方は
売却価格よりもローンの残りの金額が大きかったため
二つの物件で合計400万円ほどの出費が必要になりました。

購入数年間は相場で売っても利益は出ません。
なぜなら、中古物件の場合の購入の段階の価格設定が
購入価格=相場での前オーナーさんの売却価格+販売業者さんの利益
だからです。
私は決して、販売業者さんの利益が乗っかっていることを否定はしません。
彼らも商売ですし、手間もコストもかかっているので利益を乗っけるのは当然です。その利益が乗っかっている状態が購入する人の利益とバランスがとれていればよいのです。

最初の5,6年ほどはそこの部分を支払っている感じです。
そのタイミングで売却しても利益は出ないのが当然です。

短期売却の心理的な考察

その方のその時の心理状態というのは
「早く手放して楽になりたい」というものでした。
ただ、それによって400万円の出費。

金銭感覚やお金に対する執着というのは人それぞれですが。
私個人としては考えられないですね。


実はこの方、10年以上前に銀行の窓口で投資信託を購入したことがあったそうなのですが。
購入した直後にリーマンショックが起きて、投資信託の価格が大暴落。
それで怖くなってしまい、売却し。
その直後に株価が持ち直して、売却してしまった投資信託もきっちり値が戻っていたそうです。
(当然、その方は売却してしまっていたので利益は得られてはいませんね)

なんか、あまり学んでいないなというのが率直な印象でした。
特にお金に関する頓着がものすごく薄いです。
その400万円を貯金する苦労を考えたら、どうして、そのお金をそんな雑に扱えるのか理解に苦しみます。

では、その方はどうすればよかったのか

結論からすれば、
売らなきゃよかったんです。
簡単ですね。
売らずに家賃収入でローンの残高を減らし、
相場価格で売却しても利益が出る水準まで保有し続ければよかったんです。

”さっさと手放して楽になりたい”という心理はわかります。
女性と付き合ったときとか、相手の気持ちがわからないときとかは
さっさと玉砕して楽になりたいって思うものですよね。

ただ、ここは投資の場であって男女の色恋の場ではないですからね。
この方がすべきことは、
①管理会社と建設的な態度で、建設的な話し合いをする。
②それができなければ、管理会社を切り替える
③仕事を頑張って給与を上げて節税効果を高める
でした。

実はどれも非常に地味で根気のいる作業です。
投資というのは、投資単体で成り立つものではなくて、
その人の胆力、人間性、思慮深さ、計画性など。
その人の人間性のすべてをかけて行うものです。

まとめ

この方の場合10年前の投資信託も併せてなのですが。
購入を検討する段階で、売却のタイミングと価格を決めておくべきでしたね。
売却のタイミングを決めるには年次ごとの詳細なシミュレーションが必要になります。シミュレーションをきちんと作れば、そもそも投資の対象として適切かの判断もより精度が増します。

投資信託の場合も先に幾らで売るかを決めておけば、
損切りせずに値が戻るまで待とうという戦略も取りえたわけです。
(当然、購入の価格帯が高すぎないかの精査をしていることが前提ですが)


みなさんも投資は買うことだけでなく、どのように売るかを
買うこと以上に重視して、検討してみてください。
売却のことまで考えようとするだけで、保有期間のことがより詳細にイメージできるようになります。



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