積立保険の正しい損切りの仕方
保険に関わらず、投資というもので一番神経使うのってどこだと思いますか?
それは売り時です。
(異論は認めます)
今回は私がFP相談の現場で見た、積立保険の理に叶う解約(損切り)タイミングについてお話ししていきます。
目次
- ○ 積立保険の仕組み
- ○ そもそも積立保険の損切りのお作法
- ○ 積み立て開始からまだ年数が浅い場合
- ○ 積み立て満了期間が近い場合
- ○ 中途半端な期間の場合
- ○ そもそも損切りをする場面に出くわさないために
- ○ まとめ
積立保険の仕組み
以前にも紙面を割いたことがありますが
終身保険の仕組みについて少しおさらいしますね。
積立保険は生命保険の一種で
死亡保障を確保する道具のひとつです。
払込期間を定めて、払込期間満了後数年後に解約すると
支払った金額よりも払戻金(解約返戻金)が多くなる特性があります。
反面、払込期間が満了していない段階では
払戻金(解約返戻金)が支払った金額を下回っていることが多いです。
よく、保険屋さんが
「保険で貯金しましょう」という言い方で販売しているものですね。
この保険は積み立て開始からどれくらいの時期かによって
扱い方が変わってくるのでタイミングごとに分けて説明しますね。
そもそも積立保険の損切りのお作法
積立保険の損切りの基本的な考え方をお話しします。
積立期間が満了して、解約した際の払戻金(解約返戻金)が
支払った金額と同じ(もしくは上回っている)場合はほとんど迷いませんね。
資金が必要であれば解約すればいいし、
資金が必要なければ持っていればよいです。
問題は、保険料支払期間満了前ですね。
その保険での積み立てを途中で解約し、
ほかの投資商品に切り替える場面が考えられます。
当然、払戻金は元金から目減りしています。
切り替える先の投資で何年後にその目減りした金額を回収できるくらい利益が出て、さらにその先にどれだけ利益を上乗せできるか。
という考え方をします。
保険から投資信託やヘッジファンドなどに切り替える場合。
保険と違って一律かつ確実に○%利益が出ます。
といえないところが難しいところです。
私の場合はその投資商品の開始から現在までの期間に
年間に何パーセントづつ成長したら、現在の価格になるかの
パーセンテージを出して比較をしています。
当然、期間が短すぎるものは瞬間風速的な価格変動の影響を受けやすいので、
そもそも選択肢から外しているケースが多いです。
(厳密にはもう少し、統計的な処理をかけていますが、ここでは本旨からずれるのでまた別に紙面を割くようにします)
価格変動がある商品は金融機関としても、
○○%成長というのを明示できないので
比較のための指数の用い方はかなり多様性があると思います。
なので、異論は大いに認めますが、
悪口のコメントはやめてくださいね(^_^)
積み立て開始からまだ年数が浅い場合
積み立てを開始してから日が浅い場合で
特に1~3年目くらいまでは即損切りして構わないケースが多いです。
この時期だと、正直払戻金はほぼゼロです。
しかし、支払った金額もまだ少ないので、
目減り率は高いですが、目減り額は小さく傷口もまだ浅いです。
日が浅い時期だと、切り替え先での積立期間を長くとれるので
利益を出せる目算も高くなります。
ここで躊躇して損切りができないと、
積立金が損切りをするには惜しいくらい積み上がってしまっている上に
切り替え先での積み立て運用期間がどんどん短くなってしまいます。
積み立て満了期間が近い場合
積み立て満了時期が近い場合は損切りせずに持ち続けるのをおすすめします。
目安としては払い込み満了まで3~5年くらいですね。
この時期になると積立金額も大きくなっています。
商品性によっては目減り率も低くなっていルことが多いです。
低解約返戻金型という種別の場合は目減り率はかなり高いです。
低解約返戻金型であってもなくても、後数年待てば
払戻金(解約返戻金)が支払った額に追いつくor追い越すので支払い満了まで頑張るのがよいですね。
もし、この時期に解約して他の金融商品に切り替えても、
その先で積み立てられる期間が短くなっていることが多いので(時間がたっていますからね)目減り額をカバーするのが難しくなってきます。
中途半端な期間の場合
前述以外、つまり間の期間の場合はどうするか。
正直、ここが一番の悩みどころです。
人によると言うのが答えになってしまいます。
思いっきりのいい人で、切り替え先がかなりの利回りを見込める場合は切り替えてしまうことがあります。
逆に、切り替え先がかなりの利益を見込めても、損が出ることに尻込みする方は切り替えられずにいますね。
こればっかりはどちらがイイという類いのものでもないです。
強いて言うならば、
終身保険に加入したら、
3年目までに一度、見直しを含めた確認をすることで
タイミングを確実に確保するというルールを決めておくのが現実的な対策です。
そもそも損切りをする場面に出くわさないために
ここまで、つらつら語ってきましたが
正直、そもそも保険商品で積み立てをしなければ
こんな悩みに直面することもありません。
積立保険で積み立てをすると大きなデメリットが二つあります。
①利回りが純粋な投資商品に比べて低いことが多い(ほとんど)
②保障と積立てが一体になっている
そのため保障を見直したいと思っても積立期間の制約が邪魔して切り替えられない状況に出くわす可能性がある(これは積立てをやめたくても保障が必要だからやめられないという場面もあり得ます)
個人的には②のデメリットが深刻だと思います。
必要なときに必要な動きができないと下手をすると取り返しがつかない場面も出てきます。
「保障は保障」「積立ては積立て」ときちんと「いち目的いち商品」で分けるべきです。
まとめ
積立保険を損切りするためには
積立期間や満期までの期間で対応が異なります。
・積立期間が短ければ、躊躇なく損切り
・満期が近い時は待つ
・そもそも、保険で積立はしない
というのが対応策ですね。
保障と積立がセットという楽さに乗っかって、楽をするとそのあとに苦労します。
保障と積立(資産運用)はきちんと分けて
「1役割、1商品」というように役割ごとに商品は分けるようにしてくださいね。
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