生命保険と不動産投資の比較
生命保険の営業マンが不動産投資と張り合う場面はあまりないのですが
不動産投資の営業マンが保険を引き合いに出す場面はよく目にします。
確かに、色々と機能が被るものではあるのです。
今回は、純潔ファイナンシャル・プランナーが中立の立場で
両者の違いとそれぞれがどのように優れているのかを解説します。
目次
生命保険と不動産投資の機能が被る部分
生命保険と不動産投資が機能が被る部分は3つです。
①積立機能
②税金対策
③死亡保障
①の積立機能の部分は
不動産投資で積立?
と思う方もいるかも知れません。
それに関しては
『蓄財・積立投資としての不動産投資 』という記事にそのロジックを説明しています。
是非、ご覧になってください。
①積立機能としての比較
コレに関してはいくつかの条件は付きますが
基本的に不動産投資の圧勝です。
積立型終身保険の解約返戻金率(解約時の払戻金の率)は
契約時期、期間等にもよって様々です。
ことと次第によっては100%増ということもあるかもしれません。
(見たことないですが)
それでは、なぜ不動産投資が圧勝かと言いますと。
不動産投資は他人資本を使って積立を行うからです。
これは、月々の収支が±0(もしくはそれの近く)となる物件を購入できたということが前提にあります。
(そレから大きくかけ離れたものは、そもそも購入に慎重になったほうが良いです)
売却益が100万円でも50万円でも
自分の身銭をほとんどかけていない段階で勝負あったです。
②税金対策としての比較
それでは税金対策に関してはどうでしょか。
コレに関しても不動産投資の圧勝ですね。
それは生命保険は加入者の可処分所得を増やすことはありませんが、
不動産投資は所有者の可処分所得の増加につながるからです。
詳しく見ていきましょう。
生命保険の税金対策の仕組み
生命保険の税金対策としての主な仕組みは『生命保険料控除』です。
これは、税金が少なくなると言うよりは、
払った保険料の一部が税金から戻されるというニュアンスのほうが近いです。
『支払った保険料>税金から戻される額』となるので、
実質的には加入者の可処分所得の増加には繋がりません。
不動産投資の税金対策の仕組み
それに対して不動産投資の税金対策はどうなるか。
不動産投資の場合は確定申告において、
不動産収支内訳書内で家賃収入と諸々の経費を精算して、
そこからその他所得と損益通算します。
不動産投資の場合は減価償却や他人資本で支払った金利等が経費計上できる関係上
手出しはなくとも損益通算の段階でマイナスに持っていくことが可能です。
そのため、損益通算で課税所得が減ることで税金が少なくなります。
つまり、所有者の可処分所得の増加につながるからです。
しかし、注意も必要です。
先程の積立機能のところと同じように
これは購入価格をきちんとコントロールされたものを購入した場合のお話です。
③死亡保障としての比較
コレは結論から言うと
引き分けです。
不動産投資の場合は入居者からの家賃収入で
団体信用生命保険の保険料を支払っています。
加入者の身銭で保険料を支払う生命保険よりも資金効率は良いです。
しかし、
死亡保障は家族構成等によって金額や保障の確保の期間が異なります。
この点はかなりシビアになります。
不動産投資はあくまで投資なので保険の機能よりも
投資としての意思決定が優先されます。
そのため、売却により保障が必要な期間中に保障が無くなるということも有り得ます。
民間の生命保険はこの金額や期間は加入者の必要性にピンポイントで合わせることができます。
死亡保障に関しては単純な損得だけでなく、
必要に応じて使い分けるというのが良いです。
まとめ
以上から、
①積立機能としては不動産投資のほうに分がある
②税金対策としては不動産投資の圧勝
③死亡保障としては必要に応じて使い分けが必要
という形になります。
しかし、不動産は保険と違い同じものが二つと無い商品です。
今回の条件は、購入価格をきちんとコントロールされ、
月々の収支、年間収支が一定の範囲に収まっていることが前提になります。
コレが崩れていると、今回の記事の結論の限りではないので
そこには充分に注意してください。
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