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不動産投資ローンは借り換えしたほうがいいのか?タイミングやメリットをプロがお伝えします。

以前、月々の収支が悪い投資用不動産の
終始改善のための方策としての繰り上げ返済についてお話しました。
今回は繰り上げ返済と双璧をなす
”不動産投資ローンの借り換え”
について説明します。

目次

不動産投資ローンの借り換えとは

ローンの借換えとは
読んで字の如く
物件を購入するためのローンを
銀行から借り直すことです。

なんのためにするかというとローンの返済金額を調整するためです。
借り換えることによって、
それ以前より金利面で有利な条件で借換ができれば
金利負担が少なくなり、
トータルでの支払い額が少なくなるというものです。

不動産投資ローン借り換えのメリット

借換の際は
借換時点の段階の残債金額分を借り入れるというものです。
そのため、
物件購入時点に比べて借入額が少なくなります。
35年などの期間で借り入れすることができる
などの要件が揃えば、月々の支払額を減らすことも可能になります。

また、借換前よりも有利な金利条件で
借換ができれば、
支払総額も目に見えて減らすことも可能となります。

より良い金利の不動産投資ローンへの借り換えができる

より良い金利のローンに借り換えることは、長期にわたる投資の費用を大幅に削減する可能性があります。

金利が低いローンに借り換える最大のメリットは、月々の返済額の削減です。
金利がわずかに低くなるだけでも、ローンの残り期間にわたって見れば、返済総額は大きく異なります。
例えば、数十年にわたるローンであれば、金利が0.5%低下するだけでも、支払う利息の総額は数百万円単位で減少することがあります。
これにより、投資家は返済に充てる資金を削減し、その分を他の投資や事業への再投資に回すことが可能となります。

より低い金利による返済額の削減は、不動産投資におけるキャッシュフローを改善します。
月々の支払いが少なくなると、手元に残る現金が増え、その分、不測の出費に対応しやすくなるだけでなく、
新たな投資機会にも迅速に対応できるようになります。

景気や市場金利の状況に合わせた金利方式が選べる

借り換えによって、ローンの条件を見直し、現在の財務状況や市場環境により適した融資構造に変更することができます。
例えば、変動金利のローンから固定金利のローンに変更することで、将来の金利上昇リスクから保護されます。
また、返済期間を調整することで、月々の返済額と返済期間のバランスを最適化することも可能です。
これにより、投資家は自身の財務戦略に合わせた柔軟なローン構造を実現できます。

大手の金融機関への借り換えは信用力向上になる

大手金融機関は、その安定性、信頼性、そして厳格な審査基準で知られています。
これらの機関から融資を受けることは、間接的に投資家自身の信頼性を高める効果があります。
つまり、大手銀行から融資を受けられること自体が、投資家の財務状況や事業計画の健全性を外部に示す信号となります。
このような信用の証明は、将来の融資交渉やビジネスの取引において有利に働くことがあります。

また、大手金融機関は、より競争力のある融資条件を提供することが多いです。
例えば、低い金利、柔軟な返済プラン、融資額の増額などが含まれます。
これらの条件は、投資家の財務負担を軽減し、投資プロジェクトの収益性を高めることに繋がります。
また、優れた融資条件は、投資家が将来的にさらに良い条件での融資を受けるための前例となり得ます。

不動産投資ローンの借り換えのデメリット

借り換え時に手数料など様々な費用が発生する

投資用不動産のローンを借り換える際には多くのメリットがありますが、その過程で発生する手数料や様々な費用も無視できないデメリットの一つです。
借り換えを行う際、まず考慮すべきは各種手数料や初期費用です。
これには、事務手数料、評価費用、保証料、登記費用などが含まれることが多く、これらの費用は借り換えるローンの種類や金融機関によって異なります。
特に、不動産の評価費用や登記に関わる費用は高額になる可能性があり、借り換えによる金利の節約分がこれらの費用によって相殺されてしまうこともあります。

また、現行のローン契約を中途で解約し、新たなローンに借り換える場合、中途解約手数料(違約金)が発生することがあります。
この手数料は、ローン契約の条件によって定められており、特に固定金利期間中の借り換えの場合に高額になることがあります。
この違約金が、借り換えによる利益を上回る場合、借り換えは経済的に不利な選択となる可能性があります。

最終的にローンが安くなるとは限らない

不動産投資ローンのを借換えをした場合は、先にも述べた数々の手数料が発生します。
また、金利が低いローンに借り換えることで、月々の返済額が減少する場合がありますが、
返済期間が延長されると、長期的に見たときの支払総額が増加する可能性があります。
返済期間が延びれば延びるほど、支払う利息の総額も増加します。
その結果、短期的には返済負担が軽減されるかもしれませんが、最終的にはより多くの利息を支払うことになり、
ローン全体のコストが高くなる可能性があります。

不動産投資ローンの借り換えは、適切な条件下では有益な戦略ですが、
初期費用、中途解約手数料、および長期的な利息コストの増加というデメリットがあり、
これらの要因が組み合わさると、最終的にローンの総コストが低下しない場合があります。
したがって、借り換えを検討する際には、短期的なメリットだけでなく、長期的な視野で総コストを評価することが重要です。
具体的な数字を用いて詳細な計算を行い、全体的な経済性を慎重に検討した上で、借り換えの決定を行うべきです。

現在の金融機関と取引ができなくなる可能性がある

不動産投資ローンを他の金融機関に借り換えるという行為は、現在取引している金融機関にとっては、顧客の信頼喪失と受け取られることがあります。
特に、長期間にわたって良好な関係を築いてきた場合、借り換えはその信頼関係を断ち切ることになりかねません。
これは、将来的にその金融機関から新たな融資を受ける機会や、他の金融サービスを利用する際に影響を及ぼす可能性があります。

また、借り換えプロセスでは、新しい金融機関が投資家の信用情報をチェックします。
この過程で、現在のローンを清算することが信用情報に記録され、
場合によっては、これが将来の融資条件に影響を与えることがあります。
特に、短期間に複数のローンの借り換えや清算を行うと、金融機関から見た際にリスク要因と捉えられる場合があります。

不動産投資ローンの借り換えで得するタイミングは?

ローンの借換えには
金融機関への手数料等の費用がかかります。

いくら、月々の収支が改善されても
トータルでかけた手数料を回収できなければ
意味がありません。

費用も含めて、
メリットが有るかきちんと試算した上で
借換を行うか判断することをお薦めします。

数字の計算から借り換えのタイミングを考える

借り換えの主な目的の一つは、支払う利息の総額を減少させることにあります。
この評価を行うためには、現在のローンと潜在的な新しいローンの条件を比較し、生涯で支払う利息の総額を計算する必要があります。
この計算は、ローンの残高、金利、および返済期間を考慮に入れて行われます。
結果として得られる数字は、借り換えが経済的に意味を持つかどうかを判断する基準となります。

借り換えには、手数料や評価費用、登記費用などの初期費用が伴います。
これらの費用と、借り換えによって将来得られるであろう利息の節約を比較することで、
実際に借り換えが費用対効果の面で正当化されるかどうかを評価できます。
この比較を行うことで、短期的な出費と長期的な節約のバランスを考え、借り換えの経済的合理性を確認できます。

現在のローン契約を中途解約する際に発生する可能性のある中途解約手数料も、借り換えのタイミングを考える上で重要な要素です。
この手数料を含めた総コストを計算し、借り換えによって得られる利益と比較することで、借り換えが実際に有益かどうかを判断できます。
中途解約手数料が高額であればあるほど、借り換えのハードルは高くなります。

不動産投資ローンの借り換えのタイミングを決定する際には、具体的な数字の計算が極めて重要です。
初期費用、利息負担、中途解約手数料など、様々な要素を総合的に評価し、これらの数字を基にした比較を行うことで、
借り換えの経済的な合理性を正確に把握することができます。
このような厳密な計算を行うことで、投資家は最適な借り換えタイミングを見極め、不動産投資の利益を最大化することが可能となります。
したがって、借り換えを検討する際には、適切なタイミングを見極めるために、詳細な財務分析を行うことが大切です。

物件購入から10年以内のはやいタイミング

一般的な投資用不動産のローンの返済は
「元利均等法」が採用されているケースが多いです。
その場足、借り入れ当初は後半に比べて
金利負担が大きくなります。

借換のメリットというのは
この、金利負担が大きい当初時期に
低い金利に変更することで効果を発揮します。

ローンの返済が後半になると
金利の支払いも一段落して、
元本を減らしにかかっている時期でもあります。

繰り上げ返済をするのならば早めの時期が良いでしょう。

金利の固定期間が終了するタイミング

固定金利期間の終了は、金利が変動金利に移行することを意味します。
これにより、将来の金利上昇による返済額の増加リスクが発生します。
借り換えを検討することで、再び固定金利のローンに移行し、このリスクを避けることができます。
また、市場の金利が低下している場合は、より低い固定金利でのローンに借り換えることで、長期間にわたり返済額を低く保つことが可能です。

また、固定金利期間の終了時には、金融市場の状況や経済環境が当初のローン契約時とは異なることが多いです。
このような変化に対応するためにも、借り換えを通じてローン条件を見直すことは有効です。
市場金利が低下している場合には、それを利用して全体の利息負担を減らすチャンスとなりますし、
さらに好条件のローン商品が登場している可能性もあります。

キャッシュフローのマイナスが続いているときに考える

月々の収支を改善するという目的で考えるならば
ローンの返済期間はできるだけ長くすることが望ましいです。
もし、金利面で有利に借り換えができても、
返済期間を極端に短くしたり、
購入時期から含めて35年で返済が終わる
ようにすると、
月々の返済金額が大きくなり、
月々の収支の改善につながらない(つながっても少額)
ということにもなってしまいます。

不動産購入における借り入れというのは79歳時点で返済が完了している必要があります。
そこから考えても44歳までに借換を行うのが望ましいでしょう。

購入時より与信が良くなった

そもそも、金利が下がらないと
借換の意義も半減してしまいます。

金利の削減効果は
一般的に0.5%以上下がった場合からと言われています。
金融機関に相談して、
条件がよくなり、それだけの有利な金利が提示されないようでしたら
費用負担をしてでも、金利削減効果がうまれます。
そのような場合は、借換えを進めてもよいでしょう。

不動産投資ローンの借り換え手続きの方法とは

不動産投資ローンの借り換え手続きは、より有利な金利や条件を求めて現在のローンを新しいローンに置き換えるプロセスです。
この手続きは複数のステップに分かれており、計画的かつ慎重に進める必要があります。
以下では、不動産投資ローンの借り換え手続きの基本的な流れについて説明します。

ローンの借り換えが得になるのかシミュレーションを行う

まず、現在のローン契約の詳細を確認します。
金利の種類(固定金利か変動金利か)、金利の高さ、残りの返済期間、返済額、
そして中途解約に関する規定や手数料などを精査します。
この情報は、借り換えが経済的に意味があるかどうかを判断する基礎となります。

また、借り換えには、新しいローンの手数料や登記費用、評価費用など、様々な初期費用が発生します。
これらの費用を詳細に算出し、借り換えによる金利の節約がこれらの費用を上回るかどうかを計算します。

借り換え先を選ぶ

次に、市場に出ているローン商品を調査し、現在のローンと比較してより有利な条件を提供しているものがあるかを確認します。
金利だけでなく、ローンの手数料、返済期間、柔軟性など、全体的な条件を比較検討します。

新たな借り換え先に審査の申し込みをする

条件が良さそうな金融機関に連絡し、具体的な借り換えの提案を依頼します。
この際、自身の財務状況や不動産投資の詳細を明確に伝え、最適なローンプランを相談します。

借り換えを進めることを決定したら、金融機関から指示された必要書類を準備します。
これには、収入証明書、不動産の評価書、現在のローンの残高証明書などが含まれることがあります。
準備が整ったら、申込みを行います。

現在の金融機関で解約の手続きをする

新しいローンからの資金で現在のローンを完済し、借り換え手続きが完了します。
これにより、新しいローン条件の下での返済が始まります。

新たな金融機関からの融資実行と抵当権抹消の手続き

金融機関による審査を経て、借り換えのローンが承認されたら、新しいローン契約を締結します。
この段階で、借り換えに伴う費用の支払いや、必要に応じて不動産の登記変更などの手続きを行います。

まとめ

ローンの借換えは
・借入額と期間の再設定
・金利の条件を有利にする
により
月々の支払いやトータル返済額の減少
などを実現するための手段になります。

他の投資判断と同じく、
無条件で良い状況が生まれるわけではなく、
考慮すべき箇所がいくつもあります。
きちんと試算した上で、最適な判断をしてください。

もし、こちらの記事で記載したような試算をご自身でするのが難しいようでしたら、
ファイナンシャル・プランナーに試算をお願いしても良いでしょう。


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