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老後破綻の要因にになるもの

老後の2000万円問題や
映画のテーマが老後の資金の話だったりと
何かと、話題先行で実際はどうなっているかが
メディアからは見えてきませんが。

実際に定年退職後に
家計が破綻するケースはあります。
メディアでよく取り上げられているような
エキセントリックなものでなく、
結構リアルな事例をもとに、
老後に破綻しないようにするためにはどうすればよいかを解説します。

目次

老後破綻とは

老後破綻とはそもそも何なんでしょう。
ココでは、
恒常的に
月々の収入<月々の支出
となり、
それを補填する貯蓄もそこをついたこととして
定義して話を勧めていきます。

ちなみに、ココでの月々の支出は
請求されているものをきちんと支払うことを前提とします。
つまり、
住宅ローンやカードローン、クレジットカードの請求は滞納しないで
きちんと支払うということです。
(つまり請求額がベースになるということです)

何を今更、と思う方も多いかもしれません。
実は、それらを滞納して、支払っていなかったり
任意整理をしている方が意外といるのです。

老後破綻の実態

日本は世界でも有数の高齢化社会であり、老後の生活が安定しないことは深刻なな社会問題となっています。

老後破綻の割合は増加傾向

高齢化が進む中で、多くの高齢者が経済的な困難に直面しています。

日本は世界で最も高齢化が進んだ国の一つです。
社会の高齢化により、年金受給者の数は増加する一方で、年金を支える現役世代の人口は減少しています。
これが年金制度の持続可能性に疑問を投げかけ、高齢者の生活の不安定化につながっています。
年金受給額の減少や支給開始年齢の引き上げは、高齢者の収入源としての年金に対する依存度を高めています。
これにより、十分な収入を得られない高齢者が増え、経済的な困難に陥るリスクが高まっています。

また、高齢化に伴い、医療や介護の需要が高まっています。
しかし、これらのサービスにかかる費用は高齢者個人にとって大きな負担となり、貯蓄を急速に減少させる原因となっています。

それに加え、日本経済の長期にわたる停滞やデフレ傾向は、
高齢者の貯蓄や投資収益に影響を及ぼしています。
また、不安定な雇用状況や低賃金の問題も、退職後の経済的安定を脅かしています。

退職金や個人貯蓄の不足も、老後破綻の重要な要因です。
多くの高齢者は十分な退職金や貯蓄を確保しておらず、長期間にわたる老後の生活費を賄うことが難しい状況にあります。

これらの要因が複合的に作用し、老後破綻がうまれます。
老後の経済的安定を確保するためには、医療・介護費用の軽減策、安定した雇用機会の確保、
そして個人の資産形成と資産運用が重要です。

今、高収入でも老後破綻の可能性はある

現代の日本において、高収入であっても老後破綻のリスクが存在します。
経済的に安定していると思われる人々でも、将来的な不安要素がいくつも存在するため、老後の経済的安定は保証されていません。

高収入の方々は生活水準が高く、消費傾向も豊かです。
退職後に生活水準を維持しようとすると、予想以上の支出が生じる可能性があります。
長期にわたる退職生活においては、これが大きな経済的な負担となる可能性があります。

また、
高収入者の場合、年金による収入は生活コストをカバーするには不十分なことが多いです。
年金制度は低収入層や中収入層を対象とした設計になっているため、高収入層のニーズには必ずしも適合しないのです。

さらに、高収入でも十分な資産運用が行われていない場合、
インフレや市場の変動によって資産価値が目減りする可能性があります。
特に長期にわたる退職期間を考えると、資産の減少は深刻な問題となり得ます。

その他にも年を取るにつれて医療や介護のニーズが高まりますが、
医療費や介護費用は予想外に高額になることがあります。
特に高収入層は高品質なサービスを求める傾向があるため、これらの費用が経済的な圧迫要因となることがあります。

寿命の延長に伴い、必要となる退職後の資金の総額も増加しています。
これは、計画された退職資金が不足する可能性を意味しており、
高収入者であっても十分な準備がなければ困難に直面する可能性があります。

これらの要因を考えると、高収入であっても老後破綻のリスクから完全には逃れられない可能性があります。
老後の安定を確保するためには、早期からの資産運用計画、ライフスタイルの見直し、そして医療・介護に対する準備が重要です。
これらの対策を講じることで、将来の不確実性に備えることができます。

老後破綻の原因

老後破綻になる場合によくあるパターンがあります。
今回はその中でも
・マイホームの住宅ローン
・生活水準を落とせない
・子供への教育費の負担
・医療費や介護費がかさむ
・知識がない状態で投資や資産運用に退職金を投じてしまう


この2つを中心にお話します。

①マイホームの住宅ローン

これは、定年退職後に住宅ローンが残っている・・・・
というわけではないのです。
実は、定年退職後に住宅ローンが残っていて
退職後も支払っているというのはよくあることなのです。

金融機関側もそのことは織り込んで貸しているので
基本的に、年金で返せる水準で貸し付けていることがほとんどです。
そのため、住宅ローンが残っている事自体で
老後破綻を起こすわけではありません。

厳密には、
老後の生活を苦しめているのは
住宅ローンのボーナス返済部分なのです。

金融機関側も定年退職後は
月々の年金からボーナス返済分を差し引いて貯蓄していき
返済に充てることを想定しているのです。
しかし、後述する②生活水準を落とせない
と密接に関わるのですが。

もともと、月々の収入は使い切る水準で
生活設計をして現役時代を過ごしていた人たちは
年金生活に突入したからといって、
生活水準を落とせず、
ボーナス払い分の支払いに難儀するというのが実情です。

②収入と支出を把握できず生活水準を落とせない

人というのはなかなか一度上げた生活水準を落とすことができない生き物です。

老後破綻を起こす人たちはこのパターンが多いように見受けられます。
先述した住宅ローンのボーナス払いの他にもパターンがあります。

それが、生活水準を落とせないが故に
(もしくは、単純な浪費癖)
分割払いや、カードローンなどに手を出してしまい
それが積み重なって、
家計を圧迫するということです。

住宅ローンのボーナス払いと
分割払いやカードローンの支払いの積み重ねで
老後破綻の出来上がりというわけです。

子供への教育費の負担

教育費の高騰は老後の資金計画にも影響を与えることがあります。
近年、教育にかかる費用は著しく増加しています。
私立学校の授業料、塾や予備校への費用、大学教育に必要な学費や生活費など、子供一人当たりの教育費は家計に大きな負担をもたらします。
子供の教育費に多額の資金を投入することは、家庭の長期的な資金計画にも大きな影響を及ぼします。
特に退職後の生活資金や老後の医療・介護費用に充てるべき貯蓄が、教育費に振り向けられるということも起こり得ます。

つまり、教育費に多くの資金を割くことで、老後のための貯蓄が十分に行えなくなるリスクがあります。
教育費に多額の資金を投じて、退職後の経済的な余裕がなくなってしまうと、老後破綻のリスクが高まります。

教育費に資金を集中させることは他の投資や資産運用の機会を逃してしまうことにもつながります。
これは、長期的な資産形成のできなくなることを意味し、将来の経済的安定を損なう原因となり得ます。
また、老後の生活の質を大きく低下させる可能性があります。

教育ローンを利用する家庭も増えていますが、これらのローンの返済は長期にわたることが多く、退職後も返済が続くケースがあります。
教育ローンが資金計画に追加の負担をもたらすことがあります。

子供の教育費の高騰とそれに伴う家庭の資金計画への影響は、老後破綻のリスクを高める大きな要因となります。
これに対処するためには、教育費の計画的な管理、退職後の生活資金の確保、そして適切な投資と資産運用が必要です。

医療費や介護費がかさむ

高齢化に伴い、医療および介護サービスへの需要が増加しています。
しかし、これらのサービスにかかる費用は高額であり、特に長期間の介護が必要な場合、個人の貯蓄を圧迫する原因となっています。

退職金を知識がないのに投資や資産運用に使ってしまう

投資や資産運用には常にリスクが伴います。
知識が不足している場合、リスクを正しく理解し、適切に管理することが難しくなります。
例えば、市場の変動や投資先のリスクを過小評価することがあり、これが大きな損失を招く原因となり得ます。

投資や資産運用に関する知識が不足していると、高リターンを求めるあまり高リスクの商品に手を出す可能性があります。
また、多様な投資先を選択せず、特定の資産クラスや地域に偏った投資を行うこともあります。
投資詐欺の案件などに貴重な退職金を投じてしまって、老後の資金計画が崩れてしまう方もいます。

投資の知識が浅い人というのは、資金を一括で投資しがちです。
退職金を全額投資や資産運用に回すことは、老後の安定した収入源を失うリスクを伴います。
特に、投資による損失が発生した場合、それを回復する時間や他の収入源がない場合、老後の生活が脅かされます。

そういった人たちは知識の不足を補うアドバイザーがそばにいないことが多いです。
投資の専門知識がない場合、適切な金融アドバイザーからのアドバイスを受けることが重要です。
適切なアドバイスを受けずに行動すると、不利益な投資決定を下すリスクが高まります。

老後破綻を避けるためには、投資や資産運用に関する適切な知識の習得、リスクの理解と管理、そして分散投資の原則の適用が重要です。
また、専門家からの適切なアドバイスを受けることも、賢明な投資決定に不可欠です。

老後破綻の対処法

ココまでの話で、
「なんか、自業自得じゃない?」
という声が聞こえてきそうです。

はい。
そのとおりです。
そもそもの話、
収入が減ればその分支出を減らせばよいのです。

年金も含めて
収入が全くない人というのは意外と少ないのです。
(全くない人でも生活保護などセーフティーネットが充実しているのが日本という国です)

そうはいっても、
老後破綻しないようにするためにあえて注意点を挙げるとすると
以下の3つになります。
①働く
②資産(現金、金融資産、現物資産)をきちんと貯める、運用して増やしておく
③現役時代からリタイア後の返済計画を踏まえた生活水準で生活する

どれも、
コレ以上解説のしようがないくらい単純なものばかりです。
そうなんです。
老後破綻というのは特別な事によって起こるのではなくて、
当り前のことを、当り前にしてこず
今もしていないことによって起こるのです。

改めて、老後破綻を避けるための対処法を見ていきましょう。

老後に向けての貯蓄を増やす

基本中の基本ですが貯蓄を増やすことは、老後に必要となる安定した資金源を確保できます。
退職後の不定期な収入や予期せぬ支出に対して、十分な貯蓄があれば、生活の安定を保つことができます。
投資や資産運用はリスクを伴いますが、十分な貯蓄があれば、市場の変動による影響を受けにくくなります。
これにより、不測の事態や市場の急激な変動があった場合でも、その影響を軽減することができます。

また、老後には高額な医療費や介護費用が必要となる可能性があります。
十分な貯蓄があれば、これらの予期せぬ支出に対応することができます。

老後も現役時代と同等か、それに近いライフスタイルを維持するためには、安定した資金源が必要です。
貯蓄を増やすことによって、退職後も質の高い生活を継続することができます。

早期からの貯蓄計画を立て、実行することは、長期的な資金計画において重要です。
早い時期から資金計画をたてることで退職後の生活資金を確実に準備することができ、老後の不安を軽減することにもつながります。

これらの理由から、老後破綻を防ぐためには、貯蓄を増やすことが非常に有効な戦略と言えます。
ただし、単に貯蓄を増やすだけでなく、資産運用や支出管理など、総合的な財務計画も必要です。

収入と支出に合った生活に見直す

収入に見合った生活を送るためには、まず現在の支出を正確に把握し、無駄を削減することが重要です。
日々の消費行動を見直すことで、必要のない出費を減らし、貯蓄に回せる資金を増やすことができます。

収入に合わせた生活をすることで、長期的な財務計画を最適化することができます。
これには、退職後の予想収入に基づいて、現役時代から無理のない節約や貯蓄を行うことが含まれます。

退職後の収入は現役時代と比べて少なくなることが一般的です。
そのため、早い段階から、退職後の収入減に合わせた生活スタイルへの調整を始めることが重要です。
これにより、急激な生活レベルの変更に対応しやすくなります。

収入に見合った生活を行うことで、緊急時のための貯蓄を確保することが可能になります。
これには医療費、急な修繕費、または他の予期せぬ支出への対応が含まれます。

収入内での生活を心がけることは、金銭的な不安を減少させ、精神的な安定にも寄与します。
これにより、老後の生活をより楽しむことができるようになります。

収入に合った生活をすることは、老後破綻を防ぐための効果的な対策と言えます。
早い段階から支出を管理し、退職後の生活に備えることで、経済的に安定した老後を送ることが可能になります。

不動産の任意売却やリースバックをする

老後破綻への対策として、不動産の任意売却やリースバックが有効な方法です。
不動産の任意売却やリースバックについて少し整理しましょう。

不動産の任意売却は、所有している不動産を市場価格で売却し、その資金を老後の生活資金として利用する方法です。
これにより、大きな一時金を手に入れることができ、老後の資金計画に柔軟性をもたらします。

リースバックは、自己の不動産を売却して現金化し、その後、同じ物件を賃貸する形で住み続ける方法です。
これにより、資金を得つつも住環境の変更を避けることができます。
特に、思い出が詰まった自宅を手放したくない高齢者にとって、心理的な安定を保ちつつ資金を確保する手段となります。

不動産を売却することで得られた資金は、抱えている債務やローンの返済に使用することができます。
これにより、毎月の返済負担を減らし、生活費に余裕を持たせることが可能です。
また、固定資産税やメンテナンス費用などの維持費用を削減することができます。
特にリースバックの場合、家主としての責任から解放され、これらの費用の削減に繋がります。
任意売却やリースバックを利用することで、これらの資産を有効活用し、老後の生活資金として転換することができます。

これらの点から、不動産の任意売却やリースバックは、老後破綻への対策として有効な方法であると言えます。
ただし、これらの手段を選択する際には、税金の影響、売却後の生活計画、住み替えの必要性など、多角的な視点から検討することが重要です。
また、専門家のアドバイスを受けることも、適切な決定をする上で有効です。

生命保険などを見直す

生活状況や健康状態が変化する中で、かつて加入した生命保険が現在のニーズに必ずしも適合しなくなることも少なくありません。
保険を見直すことで、不必要に高い保険料を払い続けることを避け、これを他の貯蓄や投資に回すことができます。
年数がたてば家族構成の変化、子供の自立、住宅ローンの完済など、人生の変遷に伴い必要な保障内容も変わります。
過剰な保障を減らすことで、保険料を節約し、その分を老後の貯蓄に充てることが可能です。

一方で老後は医療や介護に関連するリスクは年を経るとともに高まります。
生命保険を見直すことで、これらのリスクに対応するための適切な保障を確保しつつ、不要な保障は削減することができます。
また、生命保険の見直しを通じて、遺族に対する財産の移転を効率的に行うことができます。これは、相続税の節税策としても有効です。

生命保険の見直しは、老後の資金計画の一環として重要な役割を果たします。
保険料の削減、保障内容の最適化、リスク対策の整備を通じて、資金計画の安定性を高めることができます。
ただし、保険の見直しには専門知識が必要なため、ファイナンシャルプランナーや保険屋さんと相談するのがよいでしょう。

健康を維持して医療費を抑える

健康を維持して医療費を抑えることは、老後破綻を避けるために非常に有効な戦略です。
健康を維持することで、病気や怪我のリスクが抑えられ、結果的に医療費が削減されます。
特に高齢になると医療費は家計に大きな影響を及ぼすため、健康な生活を送ることは経済的にも大きなメリットがあります。
また、健康を維持することは、介護が必要になるリスクを減らすことにもつながります。
介護サービスは高額であり、これを必要としないだけで大きな費用節約になります。

定期的な健康診断や予防接種など、予防医療に積極的に取り組むことで、疾患の早期発見・早期治療が可能になり、医療費を抑えることができます。

健康を維持することにより、老後の医療費や介護費用を大幅に削減できるため、経済的な安定に大きく貢献します。
また、健康な生活は老後の生活の質を向上させ、精神的な充実をもたらすため、総合的な幸福感にも寄与します。

再就職など、長く働くことを考える

再就職や長く働くことが老後破綻を避けるために有効である理由は、経済的な面だけでなく、社会的・心理的な側面にも及びます。

再就職や長く働くことによって、定年後も安定した収入を確保できます。
働くことは、退職金や貯蓄に依存することなく、生活費や医療費などの日常的な出費を賄うのに役立ちます。
長く働くことで、貯蓄を増やす期間も長くなります。
老後に備えるための資金をより多く蓄えることが可能になり、将来的な経済的安定に貢献します。

また、再就職によって社会保険制度を利用することができます。
社会保険制度を利用することで医療費の自己負担を抑えることが可能になるほか、雇用保険や厚生年金などの恩恵を受けることもできます。


働くことは、精神的、肉体的な健康を維持するのに役立ちます。定期的な活動と社会参加は、高齢者の健康維持に重要な役割を果たします。

一方で職場は、社会的なつながりを持つ場としても重要です。これにより、孤立感の軽減や精神的な満足感の向上に繋がります。
再就職やキャリアの継続は、新しいスキルを学ぶ機会を提供し、生涯学習の促進にも寄与します。

再就職や長く働くことは、経済的な安定だけでなく、健康維持や社会的な充実感をもたらすことにより、老後破綻を避けるのに有効な手段と言えます。
特に高齢者にとって、活動的なライフスタイルを維持することは、全体的な生活の質を高める上で重要です。

まとめ

老後破綻というのは
なにか特別なことが起こったり
すべての人が、努力の甲斐なく起こるものではないのです。
実は、大半のケースが
当り前のことを当り前にしてこなかったがために起こるのです。
(当然例外はありますよ)

そして、老後破綻に至らない一番簡単な方法は
”働く”ことです。

頭と体と心と財布の
健康のために
どうぞ
働いてください。


当ファイナンシャルプランナー事務所は東京都を中心に
法人・個人関わらず、あらゆる”お金の問題”の解決を専門としております。
具体的なお悩みをお持ちの方は是非一度、お問い合わせ下さい。

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