この物価上昇というのは
実は株価と密接な関係にあります。
この仕組を理解しているかいないかでは
相場への向き合い方が全く異なります。
今回は、物価上昇が株価に及ぼす影響について解説します。
目次
物価と株価の関係
一般的な投資の世界では
長期的に見たときには
物価が上昇すると株価も上昇する傾向にある
というのは
よく言われる話です。
物の値段と
株式の価格
一見関係ないような、
なんとなくつながっていないことはないような気もする
これらのものが
どういうロジックで関わっているかということを解説していきます。
なぜ、物価が上昇すると株価が上昇するのか
物価水準が上がると、
なぜ、株価水準も上昇するか。
理由は大きく分けて2つあります。
(厳密にはもう少し色々とあるのですが、今回は入門ということで)
①人の持っているお金の額面が増える(資金の総量が増える)
②企業の売上水準が上がる
①人の持っているお金の額面が増える(資金の総量が増える)
人の持っているお金の額面が増えるとどうして
株価に影響するのでしょうか?
以前にもお話しましたが、
どんなものでも資本主義のルールに則るのなら
モノの価格はオークション形式で決まっています。
そのため、市場参加者の保有する資金の総量が増えれば、
そのモノに投下できる金額が増えていき
価格が競り合っていき、
価格が上昇していくのです。
その仕組は株式の価格も同じです。
②企業の売上水準が上がる
企業の売上水準が上がると
株価が上がるというのは、
なんとなくそういう気がしますよね。
そのメカニズムをもう少し踏み込んで見てみましょう。
長期的に見たときに、
物価が上がれば、
企業は全く同じことをしていても売上は上がります。
(すごく雑な表現ですね)
厳密には価格転嫁した場合ですね。
例えば、
1本100円のペンを1,000本販売したら、売上は100,000円になります。
もし、物価が上昇して販売価格が上昇した場合
1本1,000円のペンを1,000本販売したら、売上は1,000,000円になります。
売っている本数が同じでも販売価格が物価上昇に伴って
上昇すれば、最終的な売上も上昇します。
実際は物価上昇というのは長期に渡って進んでいくので、
緩やかに進行するので、
その場にいるときは物価の上昇のように見えなかったりもします。
そのため、株式市場の参加者は
その売上アップが企業の調子が良いためなのか、
物価上昇の産物なのかがわかりにくいのです。
それでも、売上が上がっているので、
ソレにつられて株価が長期的に上昇していくのです。
実は①人の持っているお金の額面が増える(資金の総量が増える)の
企業活動側からの視点でもあるんですよね。
ただし、
物価水準が上昇しても、
きちんと価格転嫁しきらないと、
上記の限りではありません。
(正直、日本企業は価格転嫁しきれていないように見えますね)
投資をする上での注意点
長期的に物価が上昇していく株式市場においては
長期保有が基本です。
一時的な株価が下落する場面に直面して
狼狽売りするのは愚の骨頂ということですね。
経済の仕組みについてきちんと理解している人は
狼狽売りなんてしないのです。
まとめ
資本主義経済というのは
基本的に経済成長を追い求め
その結果、物価は上昇し続けるような構造になっています。
経済成長を追い求めずにいると
他国が成長する中で自国だけ相対的な価値が下落していき、
資材調達における購買力が下がり、
結果生活などの経済活動が苦しくなります。
そのため、経済成長を追い求めないというのは
資本主義経済下ではありえない選択肢なのです。
そのことを念頭に、
株価の動く仕組みをきちんと理解した上で
株式や投資信託をどのように保有し、資産を増やしていくかを
戦略的に考えていってくださいね。
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