長期運用としてのFX
一般的に短期売買でリスクが高いと言われるFX(外国為替証拠金取引)ですが。
捉え方によっては非常に手堅く利益を得ることができるツールです。
更に活用方法を工夫するとあら不思議!!
とてつもなく優良な長期運用商品に様変わりします。
今回はそんなFXの活用方法についてお話します。
目次
- ○ FXの仕組み
- ○ FXを長期運用として捉えた場合の運用手法
- ・FX 長期保有で稼ぐ2つの方法
- ・トレンドフォロー戦略
- ・キャリートレード
- ○ FXで見込める利回り
- ○ FXの長期運用するメリット
- ・手間がかからない
- ・取引コストが小さい
- ・1回の取引で大きな為替差益を狙える
- ・時間の余裕を作れる
- ○ FXで長期運用するデメリット
- ・マイナススワップの可能性がある
- ・塩漬けになるリスクがある
- ・すぐに結果が出るわけではない
- ○ FXの長期運用で抑えるべき注意点
- ・レバレッジをかけすぎない
- ・すぐに損切りしない
- ・信用度の低いFX業者から始めない
- ○ 【初心者でもできる】FXの長期運用の始め方
- ・FX口座を開設する
- ・最初の資金を入金する
- ・通過ペアと取引数量を決める
- ・新規注文をする
- ○ 他の金融商品との棲み分け
- ○ まとめ
FXの仕組み
FX=外国為替証拠金取引
と言います。
外国為替というのは
外国と日本の通過をやり取りでその利ざやを稼ぐものですね。
これだけだと、海外旅行に行くとき皆さんやっていますね。
これを、お金を担保にお金を借りてきて、
自身の保有する金額以上の資金規模で外国為替取引を行うことを
外国為替証拠金取引といいます。
一般的にFXが危険と言われる所以はこの借りてこれるお金が大きくなることで
利益だけでなく、損失が大きくなるからです。
FXを長期運用として捉えた場合の運用手法
運用手法というほどではないのですが。
長期運用という観点で見れば、
ポジションを取ったらそのまま、ほうっておくという形になります。
ロスカットにさえ注意しておけば、それだけで
年利3.3%が見込めます。
ロスカットが心配であるならば、
保持したポジションに投下した証拠金と同額の金額をいつでも追証として入れられるよう
準備しておけば良いでしょう。
FX 長期保有で稼ぐ2つの方法
FXの長期保有で利益を得る方法は大きく分けて2つあります。
①トレンドフォロー
②キャリートレード
の2つです。
それぞれについて説明します。
トレンドフォロー戦略
トレンドフォロー戦略は、為替レートの長期的なトレンドを特定し、そのトレンドに沿ってポジションを取る方法です。
早い話が時間をかけて、円ドル相場の場合は長期的に円安になるかならないかを分析して投資をするということです。
長期的な経済的要因(政治状況、金融政策、経済成長率など)を分析して、特定の通貨が強くまたは弱化する傾向を特定します。
例えば、経済成長が見込まれる国の通貨を長期にわたって購入することで、
その通貨の価値上昇から利益を得ることができます。
トレンドフォロー戦略のメリットは、経済の基本的な変化に基づいて長期的な利益を追求できる点です。
しかし、市場のトレンドが変わると損失を被る可能性もあるため、定期的に市場分析を行い、必要に応じてポジションを調整することが重要です。
キャリートレード
キャリートレードは、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売る戦略です。
毎日、通貨同士の金利差により利益(スワップポイント)を受け取るということです。
この戦略の鍵は金利差です。
例えば、高金利の通貨(例: アメリカドル)を購入し、低金利の通貨(例: 日本円)を売ることで、
その金利差による利益(スワップポイント)を毎日受け取ることができます。
長期的に保有することで、この金利差による収益が積み重なります。
この戦略のメリットは、金利差による定期的な収益が得られる点です。
しかし、為替レートの変動によって損失が生じるリスクもあるため、
市場の動向を注意深く分析し、適切なリスク管理を行う必要があります。
FXで見込める利回り
そんなFXどれだけの利回りが見込めるのでしょうか。
一般的にはハイリスク・ハイリターンみたいな言われ方をしていますが、
今回の趣旨は手堅い投資としてのFXですので、
一般論とは少し異なります。
結論から言うと
年利3.3%です(2021年9月現在)
コレはどういうことか説明します。
FXにはスワップというものがあります。
これは取引する通貨間に金利差というものがあります。
日本とアメリカであれば
日本円よりも米ドルのほうが金利が高いです。
日本円で米ドルを購入すると米ドルで保有している期間は
米ドルの金利が付きます。
2021年9月現在は
約44,000円の証拠金に対してスワップが4円/日となっています。
ポジションを1年間保有した場合のスワップ=4円×365日
=1,460円
利回りにすると=(1,460円/44,000円)×100=3.3%
ポジションを保持しているだけで3.3%の利回りが見込めます。
FXの長期運用するメリット
手間がかからない
短期取引は市場の日々の変動に影響されやすいですが、
長期保有ではこれらの小さな変動の影響を受けにくくなります。
また、長期的な視点を持つことで、短期的な市場の変動に惑わされることなく、
より大きな経済的トレンドや政治的変化を分析することができます。
取引コストが小さい
長期で保有する場合は、取引回数が少なくなるのでコストも小さくなります。
1回の取引で大きな為替差益を狙える
長期保有では、国の経済状況、政治的安定性、金融政策などの基本的な要因を分析することがより重要になります。
うまく経済情勢を見極めることができれば
一度の取引で大きな利益を得ることができます。
時間の余裕を作れる
長期取引では、短期的な相場の変動を気にしなくてよいため、
市場を注視する時間が少なくなります。
他の活動や投資への時間を増やすことができますね。
また、長期投資を行うことで、市場の動向、経済的変化、政治的イベントなどについて深く理解する機会が増えます。
FXで長期運用するデメリット
長期保有のメリットが多い一方で、為替レートの大きな変動、政治的・経済的不安定性などによるリスクも存在します。
マイナススワップの可能性がある
低金利通貨を売り、高金利通貨を買うポジションではスワップポイントを受け取ることができますが、
逆の場合、毎日スワップコストを支払う必要があり、長期にわたるとこれが大きな負担となることがあります。
塩漬けになるリスクがある
長期間にわたると、政治的、経済的な変化により為替レートが大きく変動する可能性があります。
予想と違う(反対)市場の動きをした場合、予想外の損失を被るリスクが高まります。
為替が予想と違う方向に大きく動いた場合、戻るのに時間がかかるため
資金が他の投資機会や必要時に引き出して使うことができなくなります。
すぐに結果が出るわけではない
また、当然のことながら、長期保有である以上、
直ぐに結果が出るわけではありません。
長期保有は市場の様相買いの動きに対する忍耐が必要となります。
市場の波に長くさらされることはストレスの原因となることがあります。
FXの長期運用で抑えるべき注意点
レバレッジをかけすぎない
投資資金に対して適切なポジションサイズを選ぶことが重要です。
大きすぎるポジションはリスクを増大させます。
すぐに損切りしない
長期運用をする場合は短期的な市場の動きに一喜一憂しないことが大切です。
そういった意味で、予想と反対の方向に市場が動いた場合でも慌てて損切りをするのではなく、
じっくり保有してスワップポイントを得ながら時を待つことも大切になります。
信用度の低いFX業者から始めない
信用度の低い業者は、顧客の資金を適切に管理していない可能性があります。これにより、預けた資金を回収できなくなるリスクがあります。
注文が希望した価格よりも不利な価格で約定することが多くなる可能性があります。
不安定な市場状況下でスプレッドが極端に拡大することがあり、これにより取引コストが高くなることがあります。
取引プラットフォームの技術的な不安定さや頻繁なシステム障害が、取引の機会損失や誤った取引の原因となることがあります。
また、サポート体制が不十分であったり、問い合わせへの対応が遅かったりすることがあります。
情報提供の欠如: 市場分析やニュースの提供が不足している可能性があり、これにより適切な取引判断が難しくなります。
信用度の低い業者は適切な金融規制の対象外である場合があり、問題発生時の法的救済が困難になる可能性があります。
業者の評判が悪い場合や情報の少ない業者などは、将来的なサービス停止や破産のリスクが高まります。
【初心者でもできる】FXの長期運用の始め方
FX口座を開設する
信頼性、取引コスト(スプレッドなど)、取引プラットフォームの使いやすさ、カスタマーサポート、教育資料の提供などを基準に業者を選びます。
そのうえで選んだFX業者のウェブサイトで口座開設の手続きを行います。
個人的には楽天証券、SBI証券、などは取引プラットフォームもオーソドックスで使いやすいと思います。
最初の資金を入金する
初は小額から取引を始め、自分のスキルに応じて徐々に取引量を増やします。
実際の取引を通じて経験を積み、継続的に市場と取引スキルについて学んでいきます。
FXの取引を継続的にうまくなっていく手順に関しては別の機会に詳しく説明しますね。
通過ペアと取引数量を決める
どの通貨で始めるかを考えます。
為替とFXの仕組みを感覚的に体得できていない段階なら
ご自身の住んでいる国の通貨と米国ドルの組み合わせがおススメです。
ご自身の住んでいる国とアメリカなら、情報も入ってきやすいです。
また、FX取引は高リスクであり、資金を失う可能性があることを理解し、自分のリスク許容度に合った取引を行うことが重要です。
取引前には常に最新の市場情報を確認し、その情報に基づいて冷静な判断を下すことが大切です。
新規注文をする
ここまで来て、初めて新規の注文です。
個人的には、最初は一番小さい取引単位で取引をして
操作の仕方を会得するための経験を積むことが大切だと思います。
初めてFXを始める際の注意点については以下の記事で詳しく述べているので参考にしてみてください。
他の金融商品との棲み分け
FXを長期運用と捉えた場合の他の投資との棲み分けとしては、
積立型保険の上位互換になります。
定期預金ほどではないですが、
FXは現金化へのハードルが低いです。
為替が円安局面で評価がプラスであればすぐに現金化できます。
もし、円高局面で評価がマイナスの場合は検討が必要です。
そのマイナスが確定してもよいのであれば、すぐに現金化できます。
マイナス確定が嫌であれば、半年くらい待つと相場が大きく動くことが多いです。
(あくまで、私の個人的な感覚値です。もちろん異論は認めますし、責任は持ちません^^)
積立型生命保険よりは利回りは遥かによく、
現金化までのスパンも短いです。
ある意味、かゆいところにも手が届くといった感じの
金融商品になります。
まとめ
FXに限った話ではないのですが
金融商品というのは色々な使い方ができます。
買い方、売り方、保有の仕方は
別に決まった方法などは無いのです。
個々人が自分の投資スタイルやリスク管理に合わせた方法を採用してよいのです。
今回はFXでそういったお話をしましたが
もしかしたら、皆さんの普段活用している金融商品も
気が付かない新しい使い方があるかもしれません。
是非、先入観を取り払って色々とチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
当ファイナンシャルプランナー事務所は東京都を中心に法人・個人関わらず、あらゆる”お金の問題”の解決を専門としております。
具体的なお悩みをお持ちの方は是非一度、お問い合わせ下さい。